第54章

鷹隼みたいに鋭い視線が桐生麻衣へ突き刺さる。麻衣は顔を上げることすらできず、警官と目を合わせる勇気もなかった。

「警官! きっとこいつの捏造です、はめられたんです!」

桐生雪絵が感情を爆発させ、先に口を挟む。

「うちの娘はこの男のことなんて知りません! こんなこと、するはずがありません!」

「そ、そうです!」桐生浩一も横で大きくうなずいた。「警官さん、どうか徹底的に調べてください!」

警官の顔には露骨に疑いが浮かんでいた。だが、この音声だけでは桐生麻衣を任意同行させるには弱い。

そもそも被害届も出ていない。被害者が名乗り出ない以上、立件などできるはずもなかった。

結局、簡単な聞...

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