第56章

桐生初夏の声はどこまでも落ち着いていた。なのに、その一言一言が桐生浩一の神経を逆撫でし、半分死にかけるほど怒りを煽る。

しかも、横でずっと聞いていた桐生麻衣と桐生雪絵まで火がついた。スピーカーに切り替えるなり、感情のままに怒鳴り散らす。

「桐生初夏、あんた頭おかしいんじゃないの!? 株を七〇%寄こせとか、よく言えるわね!」

「どんだけ図々しいのよ!」

「そんなに吞み込んだら腹が裂けるわよ!」

「もういい、こっちだって――共倒れでも構わない! 誰も得しなくていいのよ!」

「……」

「八〇%」

淡々とした声が、罵声の上から被さった。

桐生麻衣母娘は怒りで目を血走らせ、口から飛び...

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