第63章

「パパのわからずや!」

「僕、何も悪いことしてないのに! なんで閉じ込めるのさ!」

神崎隼人は見境なく手足を振り回し、暴れ立てた。

だが、長時間の絶食で力など入るはずもなく、その抵抗は神崎司にとってマッサージ程度のものだった。

司は瞬きひとつせず、片手で彼をひょいと脇へ退けた。

使用人に命じて部屋へ連れ戻させようとしたそのとき、ついさっきまで威勢よく暴れていた息子の動きが、ふつりと途絶えたことに気づく。

死んだふりなど、この悪ガキの柄ではない。

司が訝しんでいると、傍らにいた吉川が隼人の異変に気づいた。

「旦那様、坊ちゃまが気を失っておられます」

司はそこで初めて、隼人の頬...

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