第10章 ネックレス

私はうなずき、流れで彼の腕に手を添えて立ち上がった。

背中のほうから、焼けつくような視線がずっと突き刺さってくるのがわかる。肩甲骨のあたりが強張り、神崎倫司が何かとんでもないことをしでかすんじゃないかと、正直ヒヤヒヤしていた。

けれど幸い、私がその場を離れるまで神崎倫司は一切動かない。ようやく胸の奥の息を吐き出す。

競売台の上で、司会者がもったいぶって黒布のかかった大きな檻を指さした。

「……高貴なる血統。百年に一度と言われる名馬でございます……」

ざわ、と空気が揺れる。

「それでは皆さま、ご準備ください。開始価格は――1000万!」

宮本良介は待ってましたと言わんばかりの顔で...

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