第114章 花火の下の告白

「あなた……」

 思わず口元を押さえる。

 実のところ、さっきの演出が神崎倫司の仕掛けだってことは、なんとなく察していた。

 けれど、いざ目の前に突きつけられると、あまりにも不意打ちすぎて、頭がついていかない。

 私がなかなか返事をしないものだから、人だかりのほうから一斉に歓声が上がった。

「受けてあげて!」

「早くー!」

「わ、私は……」

 口を開きかけたそのとき、神崎倫司が一歩近づいてきて、私にだけ聞こえる声で囁いた。

「頼む。ほんとに。ここで頷いてくれ。こんな大勢の前で、あんまり恥かかせないで」

「私が頷いたら、何かいいことあるの?」

 わざと意地悪く聞いてみる。...

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