第118章 聞く?

母のことに触れた瞬間、神崎倫司の表情が凍りついた。

「このめでたい日にさ。どうしても俺に、おまえへ手荒な真似をさせたいのか?」

その一言で、部屋の空気は一瞬にして凍りつく。

まずいと察した神崎涼葉が、そっと倫司の隣に腰を下ろした。彼の腕を揺さぶりながら、甘えるように言う。

「お兄ちゃん、なにしてるの。せっかく家族みんな揃ったんだから、そんなのやめようよ」

それから顔を上げ、金津真菜子へ視線を向ける。

「お母さんもさ、お兄ちゃんが帰ってこないってずっと愚痴ってたじゃん。帰ってきたんだから、もうケンカしないでよ。ね?」

「私たち、家族なんだし。お願い、やめよう」

「涼葉の言う通り...

ログインして続きを読む