第121章 何のつもり

 こんな思惑が渦巻く場所、ずっと前から抜け出したかった。

 そう思った私は、状況を見るなり口を開いた。

「行こ」

 今日一日働いた日より、よほど疲れた。外に出た途端、私はそのまま車のシートに倒れ込む。

「ごめんな、凪紗。うちって、ああいう家なんだ。みんな腹の中で計算しててさ……君まで巻き込んで嫌な思いさせた」

 神崎倫司の目には、痛いほどのいたわりが浮かんでいる。

 私は首を振った。

「このくらい、なんでもないよ。むしろ私、ちゃんと立ち回れたかなって心配してたくらい」

 私がさらっと流すと、倫司の表情はかえって曇った。

「俺一人ならどうとでもなる。好きに仕掛けてこいって話だ...

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