第25章 案件を確認する

彼の言葉を聞いた瞬間、かっと頬が熱くなった。……この男、何を言ってるの。

私は慌てて周囲を見回す。幸い、今は近くに人影がない。

「近寄らないで!」

そう言いながら思いきり彼を突き放し、足早に会社へ向かった。

背後から神崎倫司の声が飛んでくる。

「まだ言ってないよな。どの部署なんだ?」

私は両手で耳をふさぎ、そのまま会社の中へ駆け込んだ。

営業部に着いた頃には、同僚はほとんど出社していた。

私の姿を見つけるなり、営業部の部長・前田隆が慌ててこちらへ寄ってくる。

「瀬川様……」

「瀬川凪紗。今日からそう呼んでください」

私が真顔で言うと、前田隆はすぐに背筋を伸ばした。

「...

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