第48章 好みはいつか変わる

「良介が来たのね。凪紗も出張から戻ったばかりなんだから、話があるなら座ってしなさい」

母が口を開いたのを見て、宮本良介は私の腕を放した。顔色は冴えず、それでも母に向かって小さくうなずく。

「すみません。凪紗のことが心配で、つい……」

「ほら、凪紗は無事じゃない」

母はにこにこしながら良介に目を向け、それから私へ視線を移した。

「あなたもあなたよ。出張なんて大事なこと、どうして良介に一言も言わなかったの?」

私は背中を固くしたまま、宮本良介へ向き直る。

「ごめんなさい。この数日、会社のことで頭がいっぱいで……あなたのこと、気が回らなかった」

それを聞いて、宮本良介の表情がようや...

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