第54章 ビンタ

私のその一言が口をついて出た瞬間、ばあちゃんはもちろん、石川雲と瀬川香織の顔色までさっと変わった。

「瀬川凪紗、あんた今のどういう意味? 『あなたのお父さんのお金で』って、何よ」

石川雲は即座に身構え、今にも噛みついてきそうな勢いで言い返してくる。

私は鼻で笑った。

「父は毎年、伯父さんに何千万もの生活費を入れてる。まさか知らないなんて言いませんよね? でも本当に骨があるっていうなら、要らないってことですよね。私、戻ったら経理に言います。これからは振り込まないようにって」

その瞬間、伯母さんは針を刺された風船みたいに、見る見るしぼんだ。

「なんて躾のなってない子! 年上に指図する...

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