第56章 甥はどこだ?

「あと一週間で瀬川凪紗と結婚だ。式が済んだら、瀬川グループは手早く俺のものにする」

 そう言って俺は鼻で笑った。

「神崎倫司の野郎、瀬川家と組むなんていい度胸じゃねえか。あいつの荷は、そう簡単に手元に届くと思うなよ。今回は必ず潰してやる。逃がさねえ」

「でも……こっちの人間、もうだいぶ折れちゃいました。動かせる駒が少なくて」

 瀬川香織は悔しそうに首を振った。

 俺はふと思い出す。

「お前の従弟、会社に入ったんだろ。今どこだ。電話しろ。俺が呼んでるって言え」

「え、あの子を? 何のために?」

 香織が問うてきた瞬間、俺は露骨に苛立ちを顔に出した。

「いいから黙ってかけろ。口...

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