第67章 お父さんが渡したんだろう

「行かない!」

 瀬川庭山は吐き捨てるように言うと、腹立たしげにソファへどかっと腰を下ろした。

「帰りたいなら帰せばいいだろ。頭が冷えて、自分でわかったら戻ってくる」

「この馬鹿、ほんとに私を怒らせてどうするつもりなんだい!」

 祖母はばんっと卓を叩き、顔をしかめた。

「揃いも揃って意地ばっかり張って……あんたたち、ちゃんとやっていく気はあるのかい!」

「母さん、そんなに怒らないでください。どっちも頭に血が上ってるんです。今、兄さんが義姉さんを追いかけたところで、肝心の話が片づいてなきゃ、また揉めるだけでしょう」

 父が口を挟むと、祖母はちらりとそちらを見た。

「そこまで言う...

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