第69章 勝負欲をかき立てる

 私のひと言に、宮本良介はたちまち言葉を詰まらせた。慌てたように口を開く。

「おまえがつらい思いをしたのはわかってる。俺が悪かった。ちゃんと守ってやれなかった」

 私は首を横に振った。

「違うの。責めてるわけじゃないわ」

 そう言うと、宮本良介はようやく胸をなで下ろした。

 ちょうどそのとき、瀬川雫が着替えを終えて出てきた。身につけていたのは翡翠みたいな緑のワンピースで、その色が肌の白さをいっそう際立たせている。

「凪紗、どうかしら。この一着」

 髪をかき上げながらそう言う。問いかけた相手は私なのに、はにかむような視線は宮本良介へ向いていた。

「似合ってるわ」

 私は笑って...

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