第94章 思い出すだけで気持ち悪い

車が完全に止まるなり、神崎倫司はさっと降り、私を振り返って言った。

「ちゃんと座ってろ。すぐ戻る」

私はうなずき、車内で大人しく待つ。

たいして時間はかからなかった。神崎倫司はすぐに戻ってきて、服一式を差し出しながら顎で車内を示す。

「これ、車で着替えろ」

私は重たいウエディングドレスを脱ぎ、用意されたワンピースに着替えた。……やっと息ができる。ようやく、生き返った気がした。

着替え終えると、神崎倫司たちも車に乗り込んでくる。彼は私の顔を覗き込み、眉をひそめた。

「せっかく美人なのに、なんでこんなメイクにされてんだよ。凪紗、安心しろ。俺と結婚する時は、こんなメイクで泣かせるよう...

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