第97章 自分の娘は自分で守る

 夜もすっかり更けた頃になって、ようやく父がくたびれきった様子で戻ってきた。帰るなり、私はそのまま書斎へ呼ばれた。

 書斎の中は煙草の煙が立ちこめていた。その白い靄の向こうに、ソファへ深く腰を沈め、煙草をくゆらせる父の姿が見える。

 「お父さん。祖母のお加減は、大丈夫ですか?」

 私の言葉を聞くと、父は無言で煙草を灰皿に押しつけた。それから顔を上げる。目には濃い疲労が滲んでいた。

 「凪紗。おまえが考えたやり方というのは……あれだったのか」

 「宮本家にあれだけ大勢の前で恥をかかせただけでも十分なのに、瀬川香織まで……はあ……」

 そう言って父は首を振り、苦々しげに続けた。

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