第4章 封印

魔法で焼かれた腕に、私は慎重に軟膏を塗り込む。薬が皮膚に染み込むと、淡い青色の光が放たれ、灼けるような痛みが少し和らいだ。

これは、お父さんの上位魔法を模倣しようとして負った火傷の痕だ。

私は静かにため息を吐き、書斎の椅子に深く腰掛けると、再び『古代魔法史』を手に取った。栞を挟んだページを開く――「魂魄捕縛術 その禁忌と理論」。

お父さんは、料理魔法や美容の呪文といった実用的な魔法を、私が学ぶことを決して許さなかった。その代わりに、最高の家庭教師を雇い、通常は男性魔術師にしか門戸が開かれないような高等魔術の奥義や、禁断の知識ばかりを私に叩き込んだ。

その理由は分かっている。...

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