第20章

翌晩、藤原京也から、あの年の関連書類と監視カメラの映像証拠が送られてきた。

安野香苗は一つずつ開き、どこかに綻びがないかを探した。そこを突いて過去の判決を覆し、自分の無実を証明するために。

けれど――彼女は、江原司と安野月子の手際を甘く見ていたのかもしれない。

資料にも映像にも、穴らしい穴がない。おかしい点も、誤りも見当たらない。

ふう、と息を深く吸う。安野香苗の目の光が、わずかに翳った。だが、心は折れない。彼女はそれら一式をまとめて、白原ナナへ送信した。

弁護士としての嗅覚は、自分よりずっと鋭いはずだ。もしかすると、糸口くらいは拾えるかもしれない。

『君の件は年数が経ちすぎてる...

ログインして続きを読む