第37章

白原リリの専門性については、安野香苗は江原司に嘘をついていなかった。リリは実際とても優秀で、翔太の信頼と好意をあっという間に勝ち取っただけじゃない。安野香苗に、子どもとの向き合い方や言葉の選び方まで、いくつものコツを授けてくれたのだ。

リリの助けが入ったことで、香苗と翔太の距離はさらに縮まった。

なにより、翔太が自分から香苗の頬に、ちゅっとキスをしてくれた。

ふわりと柔らかな感触に、香苗は思わず息をのむ。全身が強張ったまま、その場に立ち尽くし、手も足もどうしていいのか分からない。瞳の奥だけが、喜びの光でいっぱいだった。

「リリ、本当にありがとう」

翔太を寝かしつけ、二人でそーっと部...

ログインして続きを読む