第48章

藤原京也が女連れで宴席に現れた――その一幕に、会場の空気が一瞬で凍った。

集まっているのは皆、頭の切れる連中だ。

驚きは瞬きの間に飲み込まれ、表情はすぐに整えられる。

京也が中へ入るや否や、人の輪ができて挨拶が飛んだ。

安野香苗も男の傍らに立ち、堂々と、落ち着いた顔で応対していく。

一巡してようやく解放された頃には、香苗は自分の脚が自分のものじゃないみたいに感じていた。

――さすが藤原家。

その肩書きは、そこに立っているだけで、寄ってたかって人を引き寄せる。

「どうだ? こういう場、あまり慣れてないか」

京也が振り向いて問う。

香苗は否定せず、小さく頷いた。

「うん。正...

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