第60章

安野月子の言い分を聞いて、安野香苗は思わず頬を叩いてやりたくなった。

「先生。監視カメラの確認をお願いします。うちの子が理由もなく手を出すはずありません」

安野香苗はきっぱりと言い切った。言葉の端々に、翔太への揺るぎない信頼が滲んでいる。

そう言うと彼女は、江原司と安野月子へ視線を向けた。

「それから、あなたたち。翔太に無理やり『自分が悪い』って言わせる資格なんてない」

担任の教師は、安野香苗の強い態度に頷く。

「分かりました。今、管理室に連絡して映像を出してもらいますね」

教師はそう言って、すぐに外へ電話をかけた。

相手の保護者は、安野香苗がもう取り合わないと分かるや、さら...

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