第83章

藤原京也の言葉が途切れた瞬間、木山夏子はわずかに目を瞬かせた。

――叔母の墓前に、余計に添えられていた花束。

そのことがふっと頭をよぎる。

けれど彼女はすぐに雑念を振り払い、墓地で起きた出来事を一通り説明した。

廊下のこちら側は今、人の行き来もほとんどない。藤原京也は片手をズボンのポケットに入れたまま話を聞き終えると、眉間をきつく寄せた。

男の体から滲む冷えた気配に、木山夏子は心臓がひゅっと鳴る。

会うのも今日が初めてだ。正直、怖い。

その動揺を察したのか、藤原京也は気配を抑え、淡々と告げた。

「木山さん、ありがとう。病院のことはこっちで大丈夫だ。もう帰っていい」

他の誰か...

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