第101章

近藤有季は胸騒ぎを覚え、急いで周防浅奈の後を追った。

浅奈は別荘を出て、真っ直ぐ海辺へ向かっていた。

夜の海はどこか恐ろしい。果てしない闇が広がり、背後の別荘がどれほど煌々と輝いていようとも、海は人を飲み込む巨大な怪物のように口を開けている。

浅奈は一歩、また一歩と海へ歩を進め、氷のように冷たい海水が足首を濡らすのに任せた。

その冷気だけが、彼女の意識を研ぎ澄ませてくれる。

今思えば、前世のあの二人の手口など、決して巧妙とは言えなかった。騙されたのは、自分のような愚か者だけだ。それも一度ならず、何度も。

だから前世の惨めな死は、自業自得だったのだ。

「周防さん?」近藤有季は心配...

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