第111章

「恋人同士だと言っていたじゃないか。なぜ認められないんだ?」

津田沢夫のその一言に、木島若凪は完全に言葉を失った。

近藤時弥との間に起きたスキャンダル。自分たちが交際していると言わなければ、どうやっても収拾がつかない状況だった。

周囲は皆、親友の好きな人を奪ったと彼女を罵っている。だが、周防浅奈はすでに近藤永一の婚約者なのだ。木島若凪が近藤時弥と付き合ったとしても、何の問題もないはずだった。

昨日までは、確かに関係を公表しようと考えていた。だが今は、とてもその勇気が出ない。

近藤時弥の昨日の脅迫が、今も鮮明に脳裏に焼き付いているからだ。

『近藤永一の狙いは、奈々の未練を断ち切って...

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