第118章

電話を切った周防浅奈の顔色は、あまり芳しいものではなかった。

車の情報が掴めなかったことを心配しているのだと思った近藤有季は、慌てて彼女を慰める。

「加賀冬馬さんが木島雪子さんと約束を取り付けたわ。週末に彼女のお兄さんのお店に行くことになったから、そこで何か手がかりが見つかるかもしれない」

「加賀さん、仕事が早いわね」

周防浅奈は小首を傾げて近藤有季を見つめた。

「彼、あなたには何でも話すのね」

近藤有季は伏し目がちになり何も答えなかったが、その表情は明らかに緩んでいた。

それを見た周防浅奈は、加賀冬馬の勝利が目前であることを悟った。彼が「本命の彼氏」に昇格する日も近いかもしれ...

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