第132章

「なんてこと、花火が綺麗すぎる……遊園地のなんて目じゃないわね」

「見て見て、『奈々』だって! 周防さんの名前よ、超ロマンチック!」

「『愛してる』って入ってないのは何でかしら? 近藤様ってば、シャイなのかしらね」

夜空を彩る壮麗な大輪の花火を見上げながら、周防浅奈は近藤永一の手をぎゅっと握りしめた。破裂音が空気を震わせるたび、彼女の身体は反射的に強張ってしまう。

前世、あの豪華客船で聞いた銃声が、今も耳に焼き付いているからだ。

言うことを聞かない少女や、治療する価値すら失った少女たちが、最後に行き着く先――それは銃殺だった。

奴らは決して生きたまま海に捨てたりはしない。万が一に...

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