第20章

脳神経外科の診察室。近藤永一は姿勢を正して座り、向かいの医師は呆れ顔だ。

「腫瘍が神経を圧迫し始めている。最近、失神する回数が増えただろう? イライラすることも多いんじゃないか?」

三上木作はカルテに書き込みながら溜息をついた。

「親愛なる近藤様、頼むから休暇を取って手術を受けてくれないか? これでも君の従兄だぞ。もう少し信用してくれ」

「死ぬのか?」

近藤永一の冷徹な声が響く。

三上木作は口をへの字に曲げた。

「今のところはな」

「なら手術はしない」

それを聞いた三上木作は、ペンを机に放り投げた。

「どうしてお前はそう人の話を聞かないんだ? 良性でも癌化する可能性はある...

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