第203章

近藤五郎に背負われ、山荘のボロボロの別荘に戻った周防浅奈は、陰鬱な表情で二人を睨みつける近藤永一の姿を目にした。

近藤五郎は慌てて彼女を下ろした。

「周防様が足を挫かれまして」

「医者を呼べ」

近藤永一は歩み寄り、そのまま周防浅奈を抱き上げた。

周防浅奈は必死に首を振った。

「いやいやいや! 医者はいいから、私の鍼灸針を持ってきて!」

彼女が懸命に目配せをすると、近藤永一はようやく鼻を鳴らした。

「周防の荷物を持ってこい」

彼は周防浅奈を抱えたまま二階へ上がった。急いで掃除された形跡があり、まだ黴臭さが残っていたが、部屋自体は清潔で、ソファには柔らかいクッションが置かれ...

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