第210章

「近藤様、彼女に権力を与えて、我々をプロジェクトチームから追い出すおつもりですか? 正気ですか?」

近藤誠(こんどう・まこと)は冷ややかな声で言い放った。

彼は自分が近藤永一(こんどう・えいいち)より年長であることを笠に着ていた。永一が世間体を気にして、まさか自分を直接切り捨てることはないだろうと高を括っていたのだ。

だが、それは大きな勘違いだった。

近藤永一が最も意に介さないもの、それこそが「評判」なのだから。

「遠藤正志(えんどう・まさし)!」

近藤永一が苛立ち紛れに舌打ちをすると、即座に遠藤正志が部下を引き連れて入室してきた。

「お二方、会議室からご退室願います。ご自身で...

ログインして続きを読む