第22章

「早く食べて!」

周防浅奈は箸を無理やり近藤永一の手に握らせた。

近藤永一は箸を置くと、じっと周防浅奈を見つめ、自分の口を指差した。

周防浅奈の顔が、一瞬にして耳の根元まで真っ赤に染まる。

「自分で食べられないの? 手、ついてるでしょ?」

「犬に手はないからな」

近藤永一は身を乗り出し、軽く口を開くと、周防浅奈の指先を甘噛みした。

周防浅奈は指先に走る痺れに、全身の毛が逆立つような感覚を覚える。

特に、近藤永一の舌が這った瞬間——彼女は弾かれたように立ち上がった。

「っ、何すんのよ!」

視界の端に、ドアのところで石化している川崎慎之介の姿が映る。周防浅奈はギュッと目を閉じ...

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