第23章

「どうした?」近藤永一が顔を寄せてくる。周防浅奈は慌ててスマートフォンを胸元に伏せた。「澪たちとチャットしてるだけよ。見ないで」

近藤永一は目を細めた。その瞳の奥には、深い疑念が渦巻いている。

周防浅奈は溜息をつき、観念して画面を差し出した。「早乙女澪よ。早乙女家の次女。あなたも知ってるでしょ」

彼女の周囲の人間で、近藤永一の調査が入っていない者など一人もいないのだ。

近藤永一は画面を一瞥すると、すぐに身を起こした。「交友関係に干渉するつもりはない」

ただし、相手が同性である場合に限る。

それも、彼女に逃亡を唆さない人種だけだ。

「先に食事にしろ」近藤永一はデスクに戻り、再び仕事に...

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