第50章

「奈々、勘違いじゃないのか?」

近藤時弥は慌てて口を挟んだ。

「君は普段、そういうのを気にしないだろ? もしかしたら、ご両親がどこかにしまっているのかもしれないぞ」

「違うの。お祖母様が入院した時、周防グループの資金繰りが悪化して……それで両親が宝石類を全部病院に移したのよ」

周防浅奈は泣き出しそうな顔で訴える。

「時弥、覚えてるでしょ? お祖母様のスーツケースのこと話したじゃない。中身は全部宝石で、暗証番号は私の誕生日だって」

近藤時弥は生唾を飲み込んだ。後ろめたさに押し潰されそうだ。

「近藤永一のやつ、いつ君をお祖母様に会わせたんだ?」

「彼、一度も止めたことなんてないわ。...

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