第66章

「日那、見間違いじゃないの?」

「周防浅奈がどんな格好か知ってるでしょ? 酔っ払ってるの?」

「若凪、早くこの可愛い子を紹介してよ」

皆、口々に騒ぎ立てる。周防浅奈のあの「お化け」のような姿は知っていても、素顔を見た者はいないのだ。

今回、木島若凪が招いたのは、彼女と同程度の家柄の友人たちばかり。実家は零細企業で、周防グループから仕事を恵んでもらわなければならない連中だ。

もちろん、木島若凪はそれが周防浅奈の手柄だとはおくびにも出さない。すべて自分の口添えだと言いふらしている。周防グループの部長という肩書きを笠に着て。

実際は毎回、彼女が周防浅奈に泣きつき、割に合わない案件を回して...

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