第69章

その時、個室では木島若凪が目を輝かせていた。

「皆さん、他に食べたいものは? 遠慮しないでね。今日の松茸チョコレート、海外の巨匠が手作りしたらしいわよ。食べてみない?」

彼女は話せば話すほど上機嫌になり、まるで数億円の宝石がすでに売れたかのような錯覚に陥っていた。

彼女と近藤時弥の間では、すでに話がついている。

近藤時弥が上の階で周防浅奈を抱く。周防浅奈は近藤時弥に惚れ込んでいるから、薬を盛られたなどとは誰も疑わない。自ら身体を捧げたと思われるだけだ。

そして、近藤時弥のスマホが「偶然にも」二人の情事を録画してしまう。

この動画さえあれば、近藤永一を恐れ、かつ近藤時弥を愛している周防浅奈は...

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