第75章

「そうよ、彼は貴方の親戚のおじさんでしょ? 前に旅行に行った時、お金が足りなくなって、私がダイヤのネックレスを売った相手じゃない」

周防浅奈は無邪気な顔で首を傾げた。

「彼がどうかしたの?」

大学時代の彼女は奇抜な格好ばかりしていたが、実家から冷遇されていたわけではない。

むしろ周防浅奈は数十億もの宝石を所有していた。近藤永一が事あるごとに、高価なダイヤモンドや翡翠を贈っていたからだ。

実家と喧嘩したり、近藤永一と揉めて小遣いがなくなったりするたびに、木島若凪は宝石を売るよう彼女をそそのかした。

金銭感覚が皆無で、一点物の価値もわからなかった周防浅奈は、言われるがまま松本信介や他の中古...

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