第209章

中村奈々は病院からさほど離れていない場所にいたので、ほどなくして到着した。

今泉先生はすでに廊下で待っており、彼女が足早に近づいてくるのを見るなり、すぐに歩み寄ってくる

「中村さん、中村さん、こちらの状況はあまり芳しくありません」

今泉先生の説明を聞くあいだ、中村奈々の眉間は終始、固く寄せられたままだった。

「あなたは、彼女が唯一の保護者です。これからの治療方針は、あなたの同意を得てからでないと進められません」

主治医は彼女の顔色をうかがい、それから続ける

「本当は、彼女の身体にはずいぶん前から危険信号が出ていました。退院にも反対していたのです。今、何より急がなければならないのは...

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