第30章 私を許してください

漆黒の闇に包まれ、腐臭の漂う恐怖の牢を前に、森田杏莉は甲高い悲鳴を上げ、絶えず鉄の扉を叩いた。「助けて、こんな所にいたくない! ここから出して!」

山本大賀は冷然と彼女を見つめ、微動だにしない。「社長が、森田さんにもこの感覚を味わわせろと。そうすれば今後、何が慎むべきことかお分かりになるでしょう」

そう言い残し、彼は振り返りもせず立ち去った。

森田杏莉は鉄の扉を揺さぶるが、残念ながら全くの無駄だった。

恐怖のあまり、彼女は湿って冷たい床にうずくまり、ぶるぶると震えた。

何かが脚を這い上がってくるのを感じ、森田杏莉は度肝を抜かれ、恐慌をきたして叫びながら、両手で鉄の扉を叩...

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