第58章 あなたの婚約者が外にいる

「な、何してるの!」中村奈々は低い声で叱りつけ、警戒しながら彼を睨んだ。「早く出て行って!」

声はとても小さく、外の人に聞かれるのを恐れているようだった。

黒田謙志はすぐに出て行くどころか、かえって興味深そうに鑑賞し始めた。

中村奈々は彼の視線を追って、下を向いた——

それはライトグレーのブライズメイドドレスで、身体にぴったりとフィットする仕立てが、彼女の細く玲瓏とした曲線を際立たせ、しなやかなスタイルを完璧に描き出していた。

特にスカートの裾にあしらわれた、ふんわりとしたマーメイドラインが、さらに幾分かの可憐さを添えている。

中村奈々は痩せているが、胸はことのほか豊かで、天賦の...

ログインして続きを読む