第65章 森田美波はただの狂人だ!

中村奈々は彼女に対する僅かな憐れみの気持ちを、たちどころに仕舞い込んだ。

この女がこんな末路を辿ったのは、完全に自業自得だ。

「あなたの無様な姿を見に来たのかって? ふふ」中村奈々は口の端を歪め、皮肉たっぷりに言った。「誰もがあなたの無様な姿を見たがってるなんて、思わないでくれる?」

「あなた……」森田杏莉が口を開いた途端、激しい痛みが全身を駆け巡り、苦痛に呻いた。

森田恵は慌てて彼女を抱きしめる。「杏莉、どうしたの?」

中村奈々は彼女と口論する気も失せ、踵を返して立ち去ろうとした。

それを見た森田杏莉は、慌てて彼女を呼び止める。「中村奈々、話があるの!」

中村奈々は足を止め、...

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