第128章

栞は手を伸ばして上原叶月を引き寄せると、自分が手配した配車アプリの車に彼女を押し込んだ。

「帰ったら早く休んでね。明日遅刻したらペナルティなんだから」

お涙頂戴の隙など与えず、栞は笑って彼女の肩を叩いた。

「着いたら連絡して」

上原叶月を見送った後、自分の車に向かおうとした彼女の前に、チャラチャラした男が立ち塞がった。

「お姉さん、どこ行くの? 夜遅くに一人じゃ寂しいっしょ。俺が付き合ってあげるよ」

「警察署まで付き合ってくれるの?」

外に出れば、肩書きなんていくらでもでっち上げられる。

栞は冷ややかな視線を向けた。

「ちょうど戻るところだったの」

男の顔色がみるみる変わ...

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