第41章

そう言い捨てると、彼はくるりと背を向け、エレベーターのほうへ歩いていった。

須藤郁夜は、その場に縫い付けられたみたいに動けない。

迷いなく去っていく男の背中を見つめ、爪を掌に深く食い込ませる。瞳に残っていたかすかな弱さは、一瞬で跡形もなく消え失せた。

立花真淵は車に戻り、しばらくのあいだ運転席で座り込んだ。

そして結局、新谷卿華に電話をかける。

今度は、呼び出し音が長く続いてから、ようやく繋がった。

受話口の向こうから、かさり、と紙をめくる小さな音。新谷卿華の声は、仕事のメールを処理しているみたいに淡々としていた。

「立花社長、何かご用ですか」

――また、立花社長。

立花真...

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