第45章

新谷卿華は視線を落とし、率先して手を伸ばし、使用人と一緒に食卓の食器を片づけようとした。

だが祖母がその手を止め、椅子にそっと押し戻す。慈しむような眼差しの奥に、世の機微を見抜く澄んだ光があった。

「卿華や。おばあちゃんは知ってるよ。真淵がこの三年、あなたをほったらかしにしてきたこともね。馨の子は甘やかされて育って、口にする言葉に遠慮がない。でも、覚えておきなさい。おばあちゃんが生きている限り、この家で誰もあなたをいじめさせない」

声は大きくない。それでも、一言一言が石のように重かった。

「外のろくでもない連中が、どれだけ騒ごうと関係ない。立花家の若奥様の座は、あなたが座ってこそ揺ら...

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