第57章

「……これからは。二度と、しない」

少し間を置いた彼女の声には、肩の荷が下りたような、乾いた安堵が混じっていた。

その静けさは、平穏というより――死んだみたいな無音だった。

その表情を見た瞬間、金田川浬の胸に燃えていた苛立ちは、すうっと跡形もなく消えた。残ったのは、どうしようもない無力感と、胸の奥を締めつける痛みだけ。

彼は小さく息を吐き、手を伸ばして、冷や汗で額に張りついた前髪をそっと整える。

声を落とし、柔らかく言った。

「余計なことは考えるな。もう終わったことだ。今のお前は、お前のものだろ。ちゃんと手術して、少し眠れ。目が覚めたら、全部きっと良くなる。……この先の星川は、お...

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