第67章

写真の中の彼女は、生きることを心から愛し、自分自身にまっすぐ向き合っていた。崖の裂け目にひっそり咲く白蘭の花みたいに、しなやかで、強く、美しい。

それが本当の新谷卿華だ。立花家で三年――家の誰からも意図的に見ないふりをされ、好き勝手に踏みにじられてきた、新谷卿華。

服部放川の心臓は、見えない手でぎゅっと握りつぶされたようだった。酸っぱさと悔恨が、潮のように胸の奥へ押し寄せる。

立花真淵というあの盲目は、自分が何を失ったのか、本当にわかっているのか。

あれほどの女を妻にできたくせに、目の前で追い出してしまった。

胸の内側で、ひそやかで濃い羨望と嫉妬がうごめく。毒蛇みたいに、執拗に噛み...

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