第5章

「昨夜起きたことは、これがすべてよ」

 その言葉を吐き出すと同時に、冷たい手錠が手首に食い込む感覚が蘇る。私は取調室の無機質な金属椅子に腰掛け、机の向こうに座る二人の刑事をまっすぐに見据えていた。

 私の陳述が終わるや否や、オマリー刑事が机を激しく叩いた。

 バン! という乾いた音が、狭い室内に反響する。五十代のアイルランド系である彼は、鷹のように鋭い眼光で私を睨みつけた。

「ベラ、いい加減な作り話はやめるんだな!」

 オマリーの声は荒く、あからさまな威圧を含んでいた。

「お前と旦那のヴィニー、二人でどうやってあの三人を殺した?」

 私は顔を上げ、彼の目を正面から受け止める。

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