第152章 誰が彼に手伝わせたんだ

電話の向こうで、高坂修治はきっかり五秒、黙り込んだ。

この男は口の回りだけなら天下一品だ。法廷で弁護士五人を相手に舌戦を繰り広げても、まばたき一つしない。なのに夏目凛に三言で塞がれて、言葉を失った。

「夏目さん、あんたの頭脳、弁護士にしとくのはもったいないよ」

高坂修治は観念したようにあっさり白旗を上げ、体勢を変えて運転席にもたれた。

「いいよ、白状する。さっきの話、橘徹に言えって頼まれたわけじゃない。俺の独断」

「分かってる」

「分かってるなら怒んなよ。俺、こういう性分でさ。友だちがバカやってんの見ると放っとけなくて、つい手ぇ出しちまう」

夏目凛は、その言葉には乗らなかった。...

ログインして続きを読む