第21章 命日デート?

命日。

国分凛の母の命日――今日、なのか。

礼二はまるで覚えていなかった。

いや、覚えようとしたことがない。

背後に立つ名取心美は、彼の空気が変わったのを敏感に察した。慌てて取り繕うように声を張る。

「礼二、今日は……叔母さんの命日だったんだね……私が悪いの。知らなくて、凛おねえちゃんとケンカさせちゃって。凛おねえちゃん、礼二のこと怒らないで。礼二だって、あなたのことが大事だから……」

「黙れ」

国分礼二は苛立ちを隠さず、心美の手を振り払った。

今は、何も聞きたくない。

凛は淡々と、礼二の手から簡素なボストンバッグを引き抜いた。くるりと背を向け、キャリーを引いて玄関へ向かう...

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