第30章 遺品

プロジェクトはまとまった。なのに、胸の奥で燻っていた正体不明の怒りは、かえって勢いを増していく。

まる五日。

あの女は――本当に、五日間も連絡ひとつ寄こさなかった。飯も持ってこない。

俺が頼んだ料理だって、ひとつも作っていない。

……いい。上等だ。

どれほど肝が据わっているのか、帰って確かめてやる。俺をここまで無視するとは、いい度胸じゃないか。

国分礼二はスーツの上着を手に取り、会議室を大股で出た。纏う空気が重く、社員たちは自然と距離を取る。

……

国分邸。

名取心美はほとんど鼻歌まじりでリビングに入った。

夏目凛が物置から出てくるところだった。手には空の段ボール箱。どう...

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