第4章

「もう終わったの?」私は薄暗い天井を冷たく見つめたまま、哀れな満足げな息をまだ漏らしているヴィンセントを体の上から押しのけた。

 不意を突かれたヴィンセントはソファの端へと転がり落ちるようによろめいた。彼は一拍置いてから、露骨に不機嫌そうにぼそりと言う。「お前、どうしたんだよ。今夜は死んだ魚みたいに寝転がってるだけだった。声ひとつ出しやしない」

「その気にさせる理由を、あなたがくれなかったからよ」私は立ち上がり、彼を見ることもなくローブを羽織った。「寝る。明日の午後もダニエルと水泳のレッスンがあるの」

 ヴィンセントはそこに座ったまま、顔を暗くして黙り込んだ。

 当然、彼は知らない。...

ログインして続きを読む