第139章

山田澪は車の中に座っていた。エアコンが入っていないせいなのか、思わず身震いした。

工藤真一はそれに気づき、自ら窓を閉め、エアコンをつけた。

「すみません、エアコンの匂いがあまり好きじゃなくて、つけるのを忘れてました」

山田澪は頭を振って、気にしないと示した。

二人は電気街に到着し、工藤真一は手慣れた様子で監視カメラを販売している店に向かった。店主は明らかに顔なじみだった。

山田澪は思わず工藤真一を見つめ直した。この弁護士の人脈の広さには驚かされる。前に福江悟志の住居を調査した時も、数分で片付けてしまったし、今回の監視カメラ購入でも知り合いがいるなんて。

工藤真一は店主としばらく話...

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