第150章

彼女の顔は紅潮し、地面に伏せたまま咳き込み、声はひどく掠れていた。

口から吐き出された米粒が、唾液と混ざって流れ出ていた。

北村誠は目を離さずに彼女を見つめていた。

見るからに惨めな様子だが、彼女が惨めで哀れであればあるほど、さらに彼女を惨めにしてやりたいという衝動が湧いてくる。

彼女は米粒を吐き出した後、口を少し開けて息をし、口角からはまだ唾液が垂れ続けていた。

山田澪は目を赤く腫らし、力なく北村誠を見上げた。唇が動いたが、声は出なかった。しかし北村誠には彼女の口の動きが読み取れた。

彼女は「殺してください」と言った。

北村誠は薄く笑い、手を伸ばして山田澪の乱れた髪を整えなが...

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